漆器の産地
伝統的な漆器の産地は、日本全国に約30ヵ所存在します。その地域で育まれてきた漆器には、地域の特色や歴史的な背景を表した特徴が見られ、産地によって多種多様な漆器が生み出されてきました。
その中でも、高翆でお取り扱いのある7つの漆器の産地と、各産地の商品をご紹介します。
越前
越前塗りには、1500年の歴史があります。
主に福井県鯖江市河田地区で作られており、長い年月をかけ漆器づくりの技術を育んできました。
越前漆器は、各産地の加飾技法の技術(沈金や蒔絵等)を取り入れ、現代の感性や生活様式に合わせたモノづくりに取り組んでまいりました。
山中
山中漆器は、主に石川県加賀市の山中温泉地区で作られております。
山中は、木地挽物技術に優れており、透けるような薄さで挽く「薄挽き」、挽きの技術によって無数の筋のデザインを施す「加飾挽き」といった繊細で高度な技術を駆使して木の素材を活かし、木の温もりと寄り添うモノづくりに取り組んでおります。
若狭
日本全国No.1のシェアを誇る塗り箸の産地で、8割以上の箸が福井県小浜市若狭地方から生まれています。
代表的な若狭塗箸の特徴は、色とりどりの漆を塗り重ねた層を研ぎ磨き上げ、製作に10以上の工程を要することです。
古くから引き継がれている伝統的な若狭塗の柄を基に、日本だけでなく、海外の文化にも寄り添うデザインを取り入れた箸づくりも手掛けております。
高岡
加飾の繊細さや優美さ、凛としたたたずまいが魅力の高岡漆器は、江戸時代の初め、前田利長が日常生活品を作らせたのが始まりです。
その後彫刻塗、錆絵、螺鈿などの多彩な技術が生み出され発展していきました。
津軽
津軽塗の特徴は、堅牢で実用性に富んでいると同時に、非常に優美な外見を持つ、という点にあります。
「研ぎ出し変わり塗り」という津軽塗の技法には、数十回の工程と2ヵ月以上の日数を要し、この技法により、複雑で美しい漆模様と、頑丈でしっかりした触感が得られます。
輪島
輪島塗は、堅牢な塗りと沈金や蒔絵による豪華な加飾を特徴とします。
他産地には類を見ない丁寧な塗りが魅力のひとつで、塗り上げるまでに20工程以上、総手数では75~124回にも及ぶ丁寧な手作業で作られています。
大館
秋田県の大館曲げわっぱは、数ある曲げわっぱの中で唯一、日本の伝統工芸品として認められています。
天然木の湿度を調節する作用によって、冷めたご飯もふっくらしていて美味しいと、幅広い世代から人気の工芸品です。