漆器は美しい艶が特徴で、プラスチックなどの合成樹脂より耐久性に優れていますが、長年使用することで艶がなくなってきたり、ヒビが入ってしまったりと修理が必要だと感じることがあります。
「修理をしながら長く使い続けたい」という要望も多い漆器ですが、実は修理を依頼する前に知っておくべき大事なポイントがいくつかあります。
今回は、そんな漆器の修理方法について詳しくご紹介します。
修理できる漆器と
修理できない漆器
すべての漆器が修理可能かというと、そうではありません。
修理ができる漆器には、塗装が剝げて艶が落ちたため塗り直しが必要なものや、フチや底の一部が欠けて、欠けた部分も手元にあるものがあります。
反対に修理ができない漆器には、大きくヒビが入ったり欠けたものや、欠けた部分が手元にないものがあります。
また、漆器の箸先が欠けた場合は、箸先に新たな素材を付け加えることは出来ないため、欠けた長さで箸先を揃えることになります。今よりも短い箸を使うことに抵抗があるという方には、箸の修理はおすすめ出来ません。
- 塗装が剝げて艶が落ちたため塗り直しが必要なもの
- フチや底の一部が欠けて、欠けた部分も手元にあるもの
- 大きくヒビが入ったり欠けたもの
- 欠けた部分が手元にないもの
漆器の修理は
どこに依頼する?
漆器の修理は、商品のメーカーが行います。メーカーから直接商品を購入された場合や、メーカーの連絡先が分かる場合はメーカーへ、百貨店やECモールなど代理店から購入してメーカーが分からない場合は、代理店経由で修理を依頼します。
当店で商品をご購入されたお客様で、商品の修理をご希望の方は、当サイトのお問い合わせフォームより、「修理希望の旨」・「商品名」・「商品の状態」をご入力の上、ご連絡ください。担当者がメーカーに確認し、いただいたメールアドレスへ費用や納期についてご返信いたします。
修理を依頼した場合の
納期について
漆器の修理には、最短1ヶ月~通常数ヶ月の期間を要します。正確な納期につきましては、修理希望のお品物を拝見した後にお伝えさせていただきます。
修理にかかる
費用について
修理費用は、お品物の状態により異なります。当店で商品をご購入されたお客様は、当サイトのお問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。
当店以外で商品をご購入のお客様は、商品のメーカー様へお問い合わせください。
漆器の修理で
注意すべきこと
■漆製品のお椀やお皿の一部が欠けて修理を依頼したい場合、欠けた箇所のパーツが必要になります。欠けた箇所と全く同じ形のパーツを作ることは不可能ですので、欠けたお椀やお皿のみを修理に出されたとしても、修理を承ることが出来ません。
■漆器の一部のみの塗り直しは、色ムラの原因となることから承ることが出来ません。お椀のフチや底の一部が剥げた場合でも、全てを均一に塗りなおす必要があります。
■お椀を塗り直した場合、元の色合いではなく、購入時のやや暗めの色合いに戻ります。漆は、空気に触れることで元の色より明るくなっていく特性があり、使うほどに発光したような色合いに変化します。漆をその上から塗りなおすと、より丈夫にはなりますが、塗り直し前と同じ色には戻りません。